アルミダイカスト用合金/ADC12の特徴

アルミダイカスト用合金/ADC12の特徴

アルミダイカスト用合金/ADC12の特徴

 

自動車部品や家電、産業機械など、私たちの身の回りには「ADC12」というアルミ合金が数多く使われています。この記事では、アルミダイカストの定番材料「ADC12」について、特徴・用途・メリットについて説明します。

 

<そもそもADC12とは?>

ADC12は、JIS規格で定められたアルミニウム合金ダイカスト材料のひとつで、正式にはAl-Si-Cu系合金に分類されます。ダイカスト(高圧鋳造)向けに開発されたこの合金は、日本国内はもちろん、アジア圏を中心に広く使われているアルミ合金です。

ADC12の化学成分(参考値)JIS規格

Cu

1.5~3.5

Si

シリコン

9.6~12.0

Mg

マグネシウム

≦0.3

Zn

亜鉛

≦1.0

Fe

≦1.3

Mn

マンガン

≦0.5

Cr

クロム

Ni

ニッケル

≦0.5

Sn

≦0.2

Pb

≦0.2

Ti

チタン

≦0.3

Al

アルミニウム

残部

 

<ADC12の主な特徴>

流動性が高く、薄肉、複雑形状も鋳造可能です。また収縮も比較的少なく精密な仕上がりが可能なため、切削/旋削加工をしなくてもよい箇所をより多くつくることができます。加えて加工性も高いため、仕上げ加工時間も短縮できることからコストパフォーマンスが高いことが最大の特徴といえます。また熱伝導性が高いことから放熱部品などの用途に使われたりもします。しかし耐食性は弱いため、外部部品ではメッキや塗装などの表面処理加工が加えられることが多いです。

 

<ADC12の主な用途>

ADC12はその使いやすさと性能から、様々な部品に使われています。自動車部品が最も多く、その他、家電製品や一般産業機械部品など幅広く使われています。弊社製品構成でも自動車部品の割合が高く、次いで産業機械部品となっております。量産が前提の製品に選ばれており、コストパフォーマンスの良さも採用理由とされています。

 

<ADC12が選ばれる理由>

製造市場においてなぜADC12が選ばれているかは以下の理由があげられます。

・大量生産に適している

 流動性・鋳造性に優れているため、高圧鋳造に適しており量産しやすく低コストである

・複雑な形状が作れる

 薄肉・曲面・リブなども一体成型可能で、部品点数や加工工数の削減にも貢献できる

・リサイクル材も活用できる

 リターン材から製造可能であるため環境負荷を抑えつつ、安定した品質を確保できる点も評価されている

 

<まとめ>

ADC12は、鋳造のしやすさや寸法精度の高さに加え、合金自体の価格も比較的安価なうえ、加工付加コストについてもパフォーマンスの高い合金材料と言えます。その特性を活かして現在では主に自動車や家電のような大量生産品で多く採用されております。弊社でも主に自動車部品向けの製品が多く、自動車市場と密接な関係にあると言えます。ただ、今後はFA市場などでも需要の高まりが見込まれると思います。またリサイクル性も高いため、SDGsの観点からも注目される合金です。これらの理由から世界的なニーズの変化に対して、順応できる材質と言えます。